自分の常識・他人の非常識


とんかつ屋での打ち上げパーティ

反省もそこそこにメニューが届き、
左奥から順番に、生徒会長、カコ先輩、自分、サノ先輩の順で座って、
皆でわいわいがやがやしていました。

そんなときに知った、自分の常識・他人の非常識。

そのとんかつ屋、「肉ばかり喰ってないで野菜も食え!」がポリシーなのか、
トンカツにくっついてきたありえない量のキャベツに、
柔道部の先輩方は辟易としていました。

その上、「サービスでございます」なんて、ワンテーブルにひとつ、
大きな鉢に入った大根サラダまで来る始末。

とんかつ屋に来たはずなのに、野菜ばかりが山のように降ってくるこの事態に、
生徒会全員が渋い顔を見合わせている中、
ただ一人、涼しい顔をしてモシャモシャと野菜を食っている男が居ました。



それが我が校1300人を(不本意ながら)まとめる我らがリーダー・生徒会長。

「ニンジンはね、生のままポリポリ食べるのが美味いんだよ」

場の全員が、おまえありえないよという視線を投げかける中、
先輩はもしゃもしゃとキャベツを含みながら更に続けます。

「野菜はいくら食っても苦にならんね」
「それ、会長だけっすよ

この草食動物めが。
若い日本男児はかくあるべきであろう(と柔道部の先輩方を見る)。

そして、私の左隣にいる私の祥子さまこと、カコ先輩は
仕方なく急かされて頼んだマグロ丼を、落ち込んだ視線で見つめています。

「……はぁ……。
 実はさ、あのメニューの中に、私の食べれるやつなかったんだよね……」
「結構急いで決めざるをえませんでしたもんね(;´Д`)」

カコ先輩は病弱なくせに何故か腕っぷしが強く、偏食が激しいです。

「肉も野菜も魚も嫌い……はぁ……。
 好き嫌い減らさなきゃなぁ……」

こんなに落ち込んでいるカコ先輩を、私は初めて見ました。
偏食とはいえ、食べ物に対する感謝の念がないわけでもないらしく、

「仕方ないよね……はぁ……。
 いただきます」

マグロにひっついていたとろろでご飯を流し込んだようでした。
そういや祥子さまも偏食激しかったよなあ。(混同中)

そして私はといえば。

「この湯のみ、ずいぶん小さいですよね?」
「そう?」
「ほら、自分の拳くらいしかありませんよ。
 これじゃ水分摂取量が足りませんよ」

「んー……(;´ー`)
 参考程度に聞くけど雨宮さん、きみはどのくらいのコップで普段お茶を飲んでいるんだ?」

「いつもはこのくらいの(と手で大きさを示し)グラスだったんっすけど、
 最近は計量カップで飲んでますねー。ははは」


「……」

あれ?なんで皆固まるの?
なんで会長とおんなじ目でこっちを見るの?
一日2L以上の水分摂取は身体にも美容にもいいって聞くぜ?
身体のために飲んでるわけじゃないけどさ。

「いずみさん」
「なんでっしょう、カコ先輩」
「私さ、お茶飲まないからあげるよ。足りないでしょう」
「え……? あ……
 いいんっすか?ありがとうございます……」

「うん、あげる」
「いいんだよ(´ー`)」
「もっとお飲み(´ー`)」
「そして大きくおなり(´ー`)」

先輩方、いつもの会長のような穏やか光線を出すのは
まことご遠慮いただきたいのですが……っ!
っていうかさりげなく私のことちび扱いしてる先輩は誰ですか。

変人ぞろい(私を除く)の生徒会。
食事に行ってもやっぱり変人ばかりでした。
この生徒会もそろそろ任期が終わって、
カコ先輩とサノ先輩だけになっちゃうんだよなぁ……。
なんか寂しいばかりです。
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by esther21 | 2007-09-20 14:18 | 学校  

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