カオスなお国


いやね、それからが真の戦いだったわけで。

ラホール空港に着いて、バカに長い荷物受け取りを終え、
(何故長かったか→パキスタニーおっさんズが日本からの土産をしこたま持ってきたから)
空港の外に出ると、写真で見たことのあるサムちゃんの家族たちがお出迎え。
サムパパのダダアブ、サムの弟のルークとアルでした。

「アッサラーム・アレイクム」
「アレイクム・アッサラーム」

挨拶もほどほどに、ダダアブがサムちゃんをハグします。
9年ぶりの再会にお父さん、目元がうるうる。
ああ、感動の再会って、このことを言うんだなあ……。



一通り終わった後、空港の駐車場まで行くと、ミニバンが待機していました。

「これでシアルコート(実家のある街)まで行くんだよ」
「なあ、シアルコートまでどのくらいかかるん?」
「何時間か」
「……」

ごめん、サム兄ちゃん、ぜんっぜん分かんねえ。

そんな何時間かかるか分からないミニバスに揺られてガタゴトガタゴト。
右を見ればウルドゥー語のぎっしり書かれた壁がずっと続き、
左を見れば砂漠のような広大な景色。
何せお国はパキスタン。非常事態宣言が解けたばかりの謎の国。
見たことも聞いたこともないようなものばかりが目に飛び込んできます。
あ、マックフルーリーの看板がある……マクドはあるんだな……。
好奇心に駆られ、外の景色をじーっと眺めていると……。

……

ふっと目が覚めました。
先ほどまで明るかった車内が、なんだか真っ暗です。
隣でオエオエと聞こえてくるゲロッパの音。
相変わらず皆、同じ席で座っていますし、車も走り続けています。

「サムちゃん、自分、寝てた?」
「うん、寝てた」
「……ずっと走ってたの? この車」
「うん。いま何時?」
「あう? 17時半……」
じゃあ3時間くらい走ったねw
「マジですか」

隣でビニール袋を片手にゲロっていたゲロッパ人間は、
やはりというか、母でした。
この人、船とか乗せるといつも酔うんだよなあ……。

「うぉぇああぁぁぉ……(この世のものとは思えない音)
 サムちゃん、あと30分くらいで着く?」

「着いたらイイネ」
「('A`)」

この様子だと、まだまだのようです。

元々の乗り物酔い体質に加え、コンクリを打っていない悪路のせいで、
明らかに普段よりもオエってる母。

「もういやだ、ここで降りて野宿する」
「アーブナイヨ?」
「いいもん、野宿するもん」

40にもなって子供のようなことを言うな、母よorz
アルやルークに日本語が理解できないのが救いです。

暗ければ暗いで色々面白いものが見えてくるもので、
噂のデコデコキラキラした派手バスだとか、バイクの4人乗りだとか、
信号のないパキスタンでふっと車が止まったので、フロントガラスを覗いてみると
道路を羊の大群が横切ってただとか、
日本じゃまずありえない光景が目白押し。

もっとありえないのが、母がゲロっているので(そしてパキスタン訪問二度目なので)、
目をひん剥いているのが私だけというこの事実。
なんだ、このカオスで面白な国は。

最終目的地であるところの実家についたのが結局19時。
6時間弱をミニバンに揺られていたことになります……。
玄関口には、ダディアミ(サム母)、妹のミスバ、ナフィサ、
そしてミスバの息子のウェイズが、いまかいまかと待機してくれていました。

ダディアミはサムの姿を見ただけで涙目。
そしてハグをして大泣き。
そうだよなあ……腹を痛めて産んだ子の9年ぶりの凱旋だもんなあ……。

長い間の旅で疲れただろうと、早速ご飯とチャイをご馳走になりながら、
サムちゃんは謎の言語で、家族との親交を温め直していました。

そんな中、私と復活した母だけが、

「なあ、これ、何語?(;´Д`)」
「うーんと……多分、パンジャビー語だと思うよ」

パンジャビー語ってナンデスカorz
途方に暮れていたりしたのでした。
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by esther21 | 2007-12-18 21:45 | 家族  

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